競馬予想をしたことがある人ならば、「調教タイム」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
競馬予想には様々な予想ファクターがあり、それら様々なファクターを総合的に考えた上で競馬予想を行い、馬券を購入します。どのファクターを最も重視するかはその人によっても異なりますが、中でも多くの予想家によって重要視されているのがこの「調教タイム」です。
競馬新聞を見れば調教タイムが必ず書かれているということからも、調教タイムが如何に重要なものであるかがおわかりになると思います。
しかしながら調教タイムは競馬を始めたばかりの初心者の方には見方が難しいですよね。
そこでこの記事では競馬新聞の調教タイムの見方や初心者が競馬予想に役立てるための方法をご紹介したいと思います。競馬をもっと知っていきたいという方や、競馬予想の力を付けたいという方は是非参考にしてみてください。
競馬新聞の調教欄の見方
それでは早速競馬新聞の調教欄の見方をご紹介していきたいと思います。
調教欄とは、馬がコースを何秒で走ったかということを表しています。調教欄の表記の仕方は競馬新聞によっても変わる部分がありますが、一度調教欄 の見方を覚えておけばどの競馬新聞の調教欄も問題なく見ることが出来るようになるでしょう。
調教欄では下記のような記号が使われます。
- 美浦南トレーニングセンター(関東)…南
- 栗東トレーニングセンター(関西)…栗
- 上り坂のコース…坂路
- ウッドチップのコース…C/CW
- ポリトラックのコース…P
- 調教馬1頭で走らせる調教…単
- 2頭の併せ馬…併
ここで実際の調教タイムのサンプルを見てみましょう。下記は優馬のサンプルです。
・サウンズオブアース牡5 (栗)藤岡健一
[良化]藤岡佑27日栗CW良
(6)80.4 – 64.5 – 50.0 – 37.0 – 12.2
(6)一杯先着
◎…直線は離す一方でデキは文句なし
気配…8 動き…9・キタサンブラック牡4 (栗)清水久詞
[好気配]黒岩27日栗CW良
(6)81.2 – 65.8 – 51.6 – 38.2 – 12.1
(9)馬也遅れ
○…馬体のハリ上々で動きも力強い
気配…8 動き…8・ゴールドアクター牡5 (美)中川公成
[好気配]吉田隼27日南W良
(6)85.5 – 69.3 – 54.3 – 40.1 – 13.1
(5)馬也併入
○…メリハリの効いた走りでデキは絶好
気配…8 動き…8
また、下記は競馬ブックのサンプルです。
エアスピネル(動き抜群)
武豊27栗坂重1回54.7 38.9 24.6 11.9強めに追う
助手 3栗坂良1回53.6 37.6 23.9 12.2馬なり余力。
このように、競馬新聞によっても微妙に調教タイムの表記は異なります。
やはり見慣れたものが一番見やすいとは思いますが、これから競馬新聞を活用していこうかと考えている人は調教タイムだけでなく記事の内容や競馬新聞の特徴など、トータルで自分に合ったものを選ぶのがおすすめです。
調教タイムの重要性について
頻繁に耳にすることがある「追いきり時計」という言葉はレースの週の水曜もしくは木曜のタイムのことを指します。誰が調教で騎乗したかという情報まではスポーツ新聞には掲載されていないことも多く、ここは注意が必要な部分だと言えます。
なぜなら、騎手の場合は体重は軽いですが、調教助手の場合は意外にも体重が重い人も居るからです。調教を見る時にはここも見るようにしましょう。
また、レースであれば当たり前に全力疾走しますが、調教の場合は軽く流すだけのときもあるため、その場合にはタイムはゆっくりになります。
つまり、ただ表面上だけの調教タイムを見るだけでは馬券の参考にすることは難しいこともあります。競馬新聞の調教記事を担当している人間が書いた評価についても、それはその人の主観的な評価が含まれていることが十分に考えられます。客観的な評価であれば参考にできるかもしれませんが、その内容が主観的なものなのか、それとも客観的なものなのかを読み手側が知ることは出来ません。
そのため、調教タイムがよくても負けてしまうこともあります。しかしながら、体調や調子が悪い馬が良いタイムをマークするとは考えにくく、調教タイムが良い場合に良い評価を与えることは問題ないでしょう。
以上のことを踏まえれば、調教タイムは競馬予想の重要なファクターであることは間違いないもの、絶対的な指標ではないということがわかります。
競馬初心者の方が迷うのが「一体どの情報が重要なのか」という点ですよね。全ての予想ファクターが同じだけ重要な訳ではありませんから、より重要なものを考えた方が良いわけです。
それが考えれば、絶対的な指標ではなく、読み手にはどうしてもわからない部分もある調教タイムというのは、予想ファクターの中では中間的な位置づけで考えるのが最も理想的だと言えるのではないでしょうか。
あまりに調教タイムを軽く考えてしまってはもったないですし、かと言って調教タイムばかりを重視して考えるのは危険もあります。
調教を初心者が馬券予想に役立てる方法
調教タイムが予想ファクターの中で一体どのような位置づけなのか、それはこれでおわかりいただけたと思いますが、ここからはそんな調教を競馬初心者が馬券予想に役立てるための方法についてご紹介していきたいと思います。
せっかく調教タイムを見るのであれば予想に活かさない手はありませんよね。
では一体どうすればいいのかというと、ラスト1Fのタイムをチェックします。具体的には「11秒台であるかどうか」をチェックするようにしましょう。これだけなので、誰でも簡単にできます。
11秒台であるかどうかをチェックする理由は、トラックコース、坂路、芝、ダート、ウッドチップコースなどどんなコースにせよ、ラスト1Fで11秒台を出すことができる馬は極端に実力不足であったり、調子が悪いという可能性は低いと考えられるからです。
これは人間に置き換えて考えてみても同じで、具合の悪い人がすでに数百メートルを走ったあとのラストスパートで良いタイムは出せませんよね。むしろ徐々に失速していくでしょう。
11秒台のタイムを出せるということは、つまり少なくとも調子が悪いということはなく、好調である可能性も考えられるのです。
ごくごく簡単な方法であり、万能な方法ではありませんが、競馬を始めたばかりの初心者でも調教タイムを見て予想に活かしたいという場合には使える方法だとは思います。
ただし、上記でもすでにご紹介の通り、調教タイムという指標自体が絶対的なものではありません。そのため、調教タイムを重視して予想を展開してしまうと「調教はあんなによかったのに!」となってしまいかねません。
調教タイムを参考にする時には他の予想ファクターありきで考えるようにしましょう。
まとめ
調教タイムについてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
難しいイメージがあるかもしれませんが、実は調教タイムの見方はシンプルです。一度知ってしまえば参考にしやすいと思いますので覚えてしまうといいでしょう。
しかしながら、調教はただ見ただけで調子が良いか悪いかがわかるものではありません。予想を行う際には、他の予想ファクターと組み合わせながら予想を行っていきましょう。